ジャンル不定の日記です。

新元号「令和」について考える

4月1日の新元号発表の際は仕事中だったので会見は見ずに休憩中にググって確認したのだが、
新元号が「令和」であることを知って、「和」はわかるが「令」ってどういう意味?
ってのが第一印象だった。

発表後の首相会見で「令」の意味は述べられたものだと思ったが、
確認すると万葉集の「令月」からの引用であることと、「令和」に込められた意味が「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」であることしかわからず、「令」の意味は全く述べられていないことがわかった。

というわけで、意味がわからないので数日に渡って「令」の意味を考えた。

引用元の「令月」は、「美しい月」「良い月」などと訳されているようだが、「令」自体が本当に「美しい」「良い」といった意味なのか?

「令月」以外に1文字目に「令」がつく語として真っ先に思い浮かぶのは「令嬢」。
「社長令嬢」のように使われる語であり、高貴な身分の対象にしか絶対に使われない文字である。
このことから、「令」自体の意味が「美しい」や「良い」と言った意味ではないことがわかる。
仮に「令」に複数の意味があり、「美しい」や「良い」と言った意味があるとしても、元号に使う文字であるのなら全ての意味を考えてつけなければいけないはずだ。

「令嬢」以外に1文字目に「令」がつく語として、あまり一般的なごではないと思うが「令名」という語がある。
これは、「名声が高い」という意味。

令嬢=高貴な
令名=名声が高い
どちらも格が高いような感じの意味合い。
だとすると、「令月」も「格式が高い」と言った意味なのではないか?
「格式が高い月」→「見た目の状態が良い月」→「美しい月」
ということであれば、「令月」の訳が「美しい月」「良い月」でもおかしくないし、「令嬢」や「令名」の「令」とも一致する。

他に「令」が後ろにつく語として、「命令」「法令」などいっぱいある。
これらも、「崇高な命なので従いなさい」「崇高な法なので従わなければいけない」といった意味であれば「令嬢」や「令名」などの「令」とも類義になる。

やはり、「令」が「美しい」という意味であるというのはものすごく違和感がある。
先にも書いたが、仮にその様な意味があるとしても、元号に使う文字はあらゆる意味で適切でなければいけないと思う。


「令」の文字が持つ意味についてはおいておいて、
首相が「令和」という元号に込められた意味だと言った「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」だが、
これは国の方針や行く末としてどういう意味ですか?全く意味がわかりませんよ?
元号というのは次の時代の国の行く末に対する願掛けみたいなもんですよね?
海外メディアが「order and peace」(秩序と平和)と英訳したのに対して政府は「Beautiful Harmony」(美しい調和)だと反論したとのこと。
「美しい調和」も国の方針として全く意味がわかりません。
そもそも、発表の際に最初から英訳も用意しておこうよ・・・

元号というのは、
  1. 前の時代の災厄に対する厄除け。
  2. 前の時代の問題に対する方針。
  3. 前の時代の元号の意味を引き継ぐ。
と言った意味でつけられるべきものではないのか?
平成の時代には東日本大震災など多数の災害で多くの犠牲が出たので、1.の様な意味の安全祈願の元号(安の文字は安いからダメだが)でも良かったと思うし、
2.の様な意味で平成不況に対する繁栄祈願の元号でも良かったと思う。(そうなると思ってた)

そうでないなら、平成の元号に込められた平和を引き継ぐような元号であるべきだったと思う。
昭和の時代の世界大戦や冷戦を経て、平成の時代には文字通り平和が成ったと言えると思う。
であるから、
「令和」を文字通りの意味で説明して、
「平成の時代に成った平和というものは崇高なものであるから決して破壊してはいけない。」
という意味を込めて「令和」であれば全くケチがつかなかった。


「令=美しい、良い」
というのは違和感がありすぎるし、仮にその様な意味があったとしても別の意味があるのであれば全ての意味において適切でなければいけない。

「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」「美しい調和」
元号に込める願いとして全く持って不適切。

文字が本来持つはずの意味どおりに「令和」であれば良い文字だと思う。